
南 佳苗(みなみ・かなえ)
■研究分野:企業倫理
■研究テーマ:企業不祥事により損失を招いた企業と、経営を維持した企業の差異-企業倫理の観点から(仮)
近年、企業不祥事が後を絶ちません。なかには、一般に《一流》とよばれる企業が引き起こした企業不祥事もあります。そして、企業不祥事を引き起こした企業の多くが、倒産や株価暴落など、結果的に重大な損失を招いています。 その一方で、企業不祥事を起こしつつも、経営を維持する企業が存在します。例えば、医療業界のある企業は過去に、製品に毒物が混入されたときでも売り上げを約8割維持しました。この企業が売り上げを維持できたのは、倫理観に基づいた行動をしたからだと言われています。 企業不祥事の根底にあるものは、企業文化によってできた企業倫理です。企業倫理は明確な定義がないため、企業自身が独自に定めています。換言すれば、企業倫理は企業文化によって形作られるということです。つまり、企業不祥事への対応がその企業の文化であるといえます。 そこで本研究では、企業不祥事を引き起こし重大な損失を招いた企業と、企業不祥事を起こしつつも経営を維持した企業の差異を検証し、企業倫理の在り方について考えていきます。